思い出の小箱

人は誰しも一つずつ小箱を持っている。その小箱は少しずつ少しずつ閉じていって、やがていつか開かなくなる。
その中身は、思い出だ。

気が付けばあそこにもここにもあの頃の自分の影がまだいるみたいで、どうかして青い亡霊になった気分だ。

上手く開かなくなった小箱を抱えて、いつかそんな自分の影を集めてみたいと思っている。