When we were talking like what if.....

ロンドンのほんの小さな、学校とも呼べない様なカレッジのstudio(画室)で教師のEmmaが自分に向かってこう言った。
「You just can't go back…」
それは自分が何人かと絵を描かない日々を夢想した話をしていた時の事だ。

What do you mean?--どういう事だい?咄嗟に言いかけて、自分はそれを飲み込んだ。
そんな簡単な言葉を聞き違えるわけはない。けれど彼女のそのひと言は、一瞬自分のどこかに引っかかって、そして直ぐに深いところに沈んで行った。
自分は代わりにHow do you know that?と、おどけて言ったけれど、なんだかそれも愚問めいて、落とした目の先に刷り上がったばかりのコラグラフが青いインクに濡れていた。

「もう戻れない」と言ったEmmaの言葉がどういうわけか運命めいて聞こえたけれど、あの言葉は薄暗い希望なのか、あくまで他人の戯言なのか。
なににしても確かに自分はまだ絵を描いている。